令和5年度実績から令和10年度目標へ。約1.96倍、差は245.4万本です。
254.6万本の実績から、500万本の目標へ。
北海道は、主伐後の再造林を進めるため、令和10年度のコンテナ苗利用・生産目標を500万本としています。
増える需要に応えながら、人手不足や作業の季節集中を乗り越え、必要な苗を必要な時期に出荷し、採算を守れる生産の組み立てが必要です。
令和7年度のコンテナ苗生産者27者のうち、10万本以上を生産する17者です。
令和7年6月末の全作付本数に占める、トドマツ・カラマツの比率です。
北海道コンテナ苗生産の工程モデル
苗木が生産され、注文に応じて出荷されるまで、行政・需要側、種苗組合等、苗木生産者の仕事がつながっています。
需要・生産計画
樹種別の需要、出荷時期、生産数量を見通す。
種子・穂木の調達
地域、樹種、系統に合う種子・穂木と資材を確保する。
選別・発芽促進
種子を選別し、必要に応じて発芽促進処理を行う。
容器準備・播種
容器と培土を準備し、生産方式に応じて播種する。
発芽・育苗
温度、光、水分、施肥を管理しながら苗を育てる。
選苗・移植
苗の状態を見極め、選苗と移植を行う。
越冬・保管
品質を保ちながら、出荷時期まで苗を保管する。
受注・出荷
注文、在庫、規格を合わせ、梱包・出荷する。
工程ごとの、よくある課題。
苗木生産者が担うPROCESS 03〜07で起こりやすい課題を、対応する工程と結び付けて整理します。
不充実種子や処理条件の違いで、発芽が揃わない。
未対応時に起こりうること播き直しや選別が増え、後工程へ渡せる苗の数と時期が不安定になります。
種子の大きさや形が播種機に合わず、欠播と手直しが増える。
未対応時に起こりうること限られた播種時期に確認と補正が集中し、育苗の開始が遅れます。
温度、光、水分、施肥の調整が担当者の経験に留まり、生育が揃わない。
未対応時に起こりうること追加の選苗や育て直しが必要になり、出荷規格を満たす苗が読みづらくなります。
選苗と移植に人手が集中し、苗と作業が滞る。
未対応時に起こりうること適期を逃す苗が生じ、繁忙期の残業と応援人員への依存が増えます。
保管中の乾燥や凍結で、出荷できる苗が減る。
未対応時に起こりうること受注数量を揃えられず、廃棄と翌期の生産計画の組み直しが生じます。
出典:道総研「カラマツ播種コンテナ苗の育苗方法」 / 北海道育種場「トドマツのコンテナ育苗に関する研究」 / 森林総合研究所「低コストコンテナ苗の開発」
生産方式と、改善手法を組み合わせる。
直接播種、幼苗・プラグ苗移植、挿し木の生産方式ごとに、改善する工程と手法の組み合わせを見ます。
直接播種
種子をコンテナへ直接播き、そのまま育苗する。
幼苗・プラグ苗移植
苗床、育苗箱、セルトレイなどで育てた苗をコンテナへ移す。
挿し木
挿し穂をコンテナへ挿し、発根させて育苗する。
生産方式に合わせて、必要な手法を組み合わせる
種子・穂木の選別と規格化
種子や穂木の状態を揃え、発芽・発根後の手戻りの削減を目指します。
- 直接播種
- 種子選別、発芽促進、一粒・多粒播種
- 幼苗・プラグ苗移植
- 播種、選苗、移植苗の規格化
- 挿し木
- 穂木選別、採穂、挿し穂の規格化
IoT・環境制御
温度、光、水分、施肥と生育結果を記録し、育苗条件の安定化を目指します。
- 直接播種
- 発芽環境と初期生育の管理
- 幼苗・プラグ苗移植
- 移植前後の育苗・活着管理
- 挿し木
- 発根環境と順化条件の管理
自動化・作業支援
反復作業を設備や治具へつなぎ、人手の集中と作業の季節偏りの抑制を目指します。
- 直接播種
- 培土充填、播種、搬送
- 幼苗・プラグ苗移植
- 画像選苗、移植、搬送
- 挿し木
- 穂づくり、挿し付け、搬送
工程短縮・平準化
生産時期と工程のつなぎ方を変え、作業待ちの苗と繁忙期の負担軽減を目指します。
- 直接播種
- 播種数、育苗期間、越冬の見直し
- 幼苗・プラグ苗移植
- 苗の準備時期、移植回数の見直し
- 挿し木
- 採穂、発根、移植時期の平準化
方法ごとの判断材料を、公開映像から確かめる。
METHOD 01〜04に関わる、種子選別、播種、環境制御、選苗・移植、コンテナ搬送の公開映像を紹介します。
映像で確認できる範囲に限り、工程での役割、確認できること、適用前に確かめることの順に整理しています。
光学式の充実種子選別
- 工程での役割
- 播種前に、種子を充実種子と不充実種子に分ける工程を担う設備です。
- 映像で確認できること
- 種子を1粒ずつ送り、光学的に状態を測り、判別結果に応じて排出先を分ける一連の流れを確認できます。
- 適用前に確認すること
- 樹種、種子の大きさと形、含水状態によって判別条件が変わります。自社の種子を用いた事前確認と、処理量・選別後の取り扱いの確認が必要です。
非球形の林業用種子に対応する播種設備
- 工程での役割
- 容器準備・播種の工程で、形状が不規則な種子を各セルへ送り込む役割の設備です。
- 映像で確認できること
- 深型トレイへの培土充填と、非球形の林業用種子をセルへ供給する構成を確認できます。
- 適用前に確認すること
- 使用する容器の形状・寸法、培土の種類と充填条件、1セルあたりの播種粒数が自社の仕様と合うかの確認が必要です。
育苗環境の自動制御
- 工程での役割
- 発芽・育苗の工程で、温度、光、水分などの環境条件を測り、制御する役割の設備です。
- 映像で確認できること
- 北海道の苗木生産における、コンテナ苗の育苗と環境制御を組み合わせた運用の様子を確認できます。
- 適用前に確認すること
- ハウスの構造、既設設備、電源・通信の条件、樹種ごとの管理目標値に合わせた設計が必要です。
林業苗畑向けの選苗・搬送ライン
- 工程での役割
- 選苗・移植の工程で、苗を選別し、次工程へ搬送する役割のラインです。
- 映像で確認できること
- 苗を1本ずつ扱いながら、選別と搬送を連続して行うライン構成を確認できます。
- 適用前に確認すること
- 対象樹種と苗の規格、選別の判定基準、既存の作業動線と設置スペースに収まるかの確認が必要です。
林業用苗木生産者における選苗・搬送
- 工程での役割
- 選苗・移植の工程で、選別と搬送を組み合わせ、人手が集中する作業を分担する構成です。
- 映像で確認できること
- 苗木生産の現場で、選苗と搬送を組み合わせた設備が稼働する様子を確認できます。
- 適用前に確認すること
- 作業人数と配置、繁忙期に必要な処理量、苗の規格が自社の条件と合うかの確認が必要です。
培土充填機へのコンテナ投入
- 工程での役割
- 容器準備・播種の前段で、培土充填機へ空のコンテナを同じ向きで投入する作業を協働ロボットが担います。従来2人が必要だった工程から、作業者1人分を別の仕事へ振り向けられる構成です。
- 映像で確認できること
- 1:01〜1:28に培土充填機へのコンテナ投入、2:15〜2:40に容器の変形や汚れへ対応する専用アタッチメント、2:51〜3:21に次の自動化対象として検討される植え付け・移植を確認できます。
- 適用前に確認すること
- コンテナの変形・汚れ・重なり方、把持と引き抜きの安定性、既存の培土充填機との受け渡し、設置スペースと作業者との共存条件の確認が必要です。
自社の課題に、比重を付ける。
同じコンテナ苗生産でも、樹種、数量、設備、人員によって課題の重さは異なります。
未回答と低い比重を分けたうえで、各ISSUEを四段階で評価できます。