本文へ移動
RESEARCH 03 / MANUFACTURING

製造業の自動化設備構想・導入前検証

製造業の生産技術部門、装置メーカー、SIerが、要求の抜けや検証不足を製作後の手戻り、現地立上げの遅延、投資判断の誤りにつなげないために、要求整理から構想、導入前検証、現地への引渡しまでを整理します。

01 — WHY & IMPACT

設備を作る前に、投資と設計の前提を確かめられるか。

自動化設備は、製作が進むほど変更できる範囲が狭まり、手戻りの費用と日数が増えます。
導入前検証の目的は、シミュレーションを使うことではなく、次の判断に必要な不確実性を早い段階で減らすことです。

IMPACT 01 / PHYSICAL START-UP
75%短縮

公開研究が引用する一事例では、制御を仮想設備で先に確認した結果、設備据付後に実機で行う立上げ時間が75%短縮されました。案件固有の結果です。

IMPACT 02 / PROJECT LEAD TIME
3週間短縮

IDCの公開事例では、仮想立上げと現地立上げを合わせた工程が8週間から5週間となり、引渡しまでが3週間短縮されました。

IMPACT 03 / SHARED PLANNING
15,000人が利用

BMW Groupの公開資料では、約15,000人が工場の3Dデータを使い、生産計画とサプライヤーとの確認を共通の情報上で進めています。ここでの人数は計画基盤の利用者数です。

出典:Journal of Computational Design and EngineeringSiemens「IDC case study」BMW Group PressClub

02 — PROCESS MODEL

要求を、比較・検証・現地引渡しまでつなぐ。

生産技術部門が、投資目的と受入基準を保ちながら、装置メーカー・SIerの設計知見を各工程へつなぎます。
工程ごとに判断・設計・確認の担い手を確かめ、合意した内容を次の工程へ引き継ぎます。

PROCESS 01

要求と成功基準を定める

主担当
生産技術部門
確認・協働
装置メーカー・SIer

能力、品質、安全、保全、段取り替え、投資上限と、合否を決める測定方法を言語化する。

PROCESS 02

構想案を同じ条件で比べる

主担当
生産技術部門
確認・協働
装置メーカー・SIer

自動化範囲、レイアウト、物流、人と設備の分担を、同じ前提と指標で比較する。

PROCESS 03

詳細設計と接続条件をそろえる

主担当
装置メーカー・SIer
確認・協働
生産技術部門

機械、電気、制御、ソフトウェア、上位系の境界とデータ版をそろえる。

PROCESS 04

モデルと試験項目をつくる

主担当
装置メーカー・SIer
確認・協働
生産技術部門

判断に必要な精度でモデルを作り、正常、異常、品種変更、復旧を含む試験項目を定める。

PROCESS 05

導入前に成立性を確かめる

主担当
装置メーカー・SIer
確認・協働
生産技術部門

計算、3D検証、仮想立上げ、モックアップ、FATを組み合わせ、未確認事項を残す。

PROCESS 06

現地へ引き渡し、差分を閉じる

主担当
生産技術部門
確認・協働
装置メーカー・SIer

導入前の検証結果と残課題をSAT・立上げへ引き継ぎ、実機との差分を設計と標準へ戻す。

03 — ISSUES

製作後に判明しやすい課題を、工程の前で捉える。

ISSUEは工程と関連付けますが、一工程一課題には固定しません。
複数工程をまたぐ不整合を、設計変更が可能な時点で見つけます。

ISSUE 01 / 要求・合否

必要能力と受入基準が、設備仕様や試験項目まで落ちていない。

そのまま進めた場合製作後に「満たしたか」を判断できず、追加対応と責任範囲の調整が増えます。

ISSUE 02 / 構想比較

候補案ごとに前提、対象範囲、評価指標が異なる。

そのまま進めた場合見かけの能力や価格差で案を選び、導入後に必要な工程や費用が追加されます。

ISSUE 03 / 設計接続

機械、電気、制御、ソフトウェアのデータ版と境界がそろわない。

そのまま進めた場合組立時や現地で干渉・I/O・制御順序の不整合が見つかり、手戻りが集中します。

ISSUE 04 / 試験設計

正常運転だけを確かめ、異常、品種変更、復旧の試験が不足する。

そのまま進めた場合量産開始後に停止や復旧不能が発生し、現場で試験と改修をやり直します。

ISSUE 05 / モデル妥当性

モデルの精度、対象外、未確定値を示さず、結果だけを共有する。

そのまま進めた場合シミュレーション結果を実機保証と受け取り、現地差分への備えが不足します。

ISSUE 06 / 現地引渡し

確認済み事項、残課題、変更履歴が現地立上げへ引き継がれない。

そのまま進めた場合同じ確認を現地で繰り返し、判断待ちと原因切り分けで立上げが延びます。

04 — VARIABLES & METHODS

判断したいことに合わせて、検証方法を組み合わせる。

方法は多いほど良いわけではありません。
判断段階、確かめる現象、データの確度、責任分界に合わせて、必要十分な方法を選びます。

VARIABLE 01 / DECISION

何を決める段階か

投資可否、方式選定、詳細設計、受入判定のどこにいるかで、必要な精度と検証費用が変わります。

VARIABLE 02 / PHENOMENON

何を確かめるか

能力、物流、干渉、作業性、制御、異常復旧、安全など、判断したい現象で方法が変わります。

VARIABLE 03 / FIDELITY

何のデータがあるか

形状、時間値、設備挙動、PLC、I/O、品種データの確度で、再現できる範囲が変わります。

VARIABLE 04 / INTERFACE

誰の境界をつなぐか

生産技術、装置メーカー、SIer、上位システムの責任分界と変更権限で、検証の進め方が変わります。

METHOD 01 / CALCULATE

計算・図面で構想を比べる

投資判断や方式選定の初期

何を確かめるか
能力計算、工程表、レイアウト、物流量、概算費用を同じ前提で比較する。
成立条件
入力前提と除外範囲を残し、精密な挙動を保証する資料として扱わない。
METHOD 02 / SIMULATE

3Dで動作・流れを確かめる

干渉、到達、作業性、サイクルの確認

何を確かめるか
設備・ロボット・人・搬送を3Dで動かし、配置や動作順序を製作前に比べる。
成立条件
形状、速度、待ち時間、設備挙動の精度と、検証対象外を明示する。
METHOD 03 / CONNECT

仮想設備と制御をつなぐ

制御ロジックと設備応答の確認

何を確かめるか
仮想設備へ実PLCまたは仮想PLCを接続し、I/O、インターロック、異常復旧を試す。
成立条件
PLC版、I/O対応、通信周期、モデル応答、テストケースと残差を管理する。
METHOD 04 / TEST

実物で段階的に確かめる

精度・安全・現物差を含む受入確認

何を確かめるか
モックアップ、要素試験、パイロット、FAT、SATを、前段の未確認事項に合わせて組み合わせる。
成立条件
設備を作ってから全部を確かめず、費用と変更容易性に応じて試験を前倒しする。
05 — IMPLEMENTATION CASES

生産技術、装置メーカー、SIerの実践から確かめる。

公開事例は、特定のソフトウェアを推奨するためではなく、技術と運営をどう組み込んだかを確認する材料です。
効果値は各事例の条件に依存するため、自社の成果予測へそのまま転用しません。

IMPLEMENTATION CASE 01 / METHODS 01・02

新工場を、建設・稼働前に仮想空間で計画する。

導入主体・見直した仕事
BMW Groupは、中国・瀋陽のPlant Lydiaについて、工場計画と生産準備を仮想空間で進めました。
技術と運営の組み込み
工場と生産設備の計画情報を3Dで共有し、完成前にレイアウトや工程を確認できる状態をつくっています。
映像で確認できること
仮想工場と実際の工場を対応させながら、生産準備を進める様子を確認できます。
適用前に確かめること
モデルの更新主体、現況との一致、比較する構想案、設備メーカーへ共有する範囲を決めます。
IMPLEMENTATION CASE 02 / METHOD 02

生産開始前に、作業場と手順を現場と確かめる。

導入主体・見直した仕事
BMW Groupは、新型3シリーズの生産開始前に、コックピット組立エリアの配置と作業手順を見直しました。
技術と運営の組み込み
建屋、設備、物流、組立の計画担当者と生産従事者が、同じVR空間で作業場と手順を確認しています。
映像で確認できること
3Dスキャンした工場情報を基に、作業者の視点で配置と手順を検討する様子を確認できます。
適用前に確かめること
作業者が確認する時期、評価項目、現物との差分、設計へ戻す変更手順を定めます。
IMPLEMENTATION CASE 03 / METHODS 01・02・03

機械・電気・自動化を、計画から立上げまでつなぐ。

導入主体・見直した仕事
装置メーカーSTiMAは、顧客ごとに異なるメカトロニクス設備の設計と立上げを見直しました。
技術と運営の組み込み
機械、電気、自動化の情報を一つの設計工程へつなぎ、再利用できる設計要素とデジタルツインを活用しています。
映像で確認できること
小規模な装置メーカーが、部門間の設計情報と設備開発をつなぐ実務を確認できます。
適用前に確かめること
再利用する設計要素、版管理、モデルの用途、制御検証と実機試験の境界を定めます。
IMPLEMENTATION CASE 04 / METHOD 03

部品を待つ間に、制御と設備応答を先に確かめる。

導入主体・見直した仕事
装置メーカーBurr Oak Toolは、部品の長納期によって顧客への納入が遅れる課題を見直しました。
技術と運営の組み込み
設備のデジタルツインを用意し、実機部品がそろう前から制御の確認を進めています。
映像で確認できること
Burr Oak Tool自身が、採用理由と仮想立上げの使い方を説明しています。
適用前に確かめること
モデル化する設備応答、実PLCとの接続、部品到着後に再確認する項目、効果の測定方法を決めます。
IMPLEMENTATION CASE 05 / METHOD 03

設備モデルと制御をつなぎ、現地前に動作を確認する。

導入主体・見直した仕事
自動化設備を手掛けるPROPOINTは、EKS InTecと仮想立上げを設備開発へ組み込みました。
技術と運営の組み込み
設備モデルと制御を接続し、設備を現地へ据え付ける前に動作と制御順序を確認します。
映像で確認できること
設備モデル、制御確認、実機への移行を、装置メーカーと技術支援側の説明から確認できます。
適用前に確かめること
モデルとPLCの版、I/O対応、異常・復旧の試験項目、未再現部分の引継ぎ方法を決めます。
IMPLEMENTATION CASE 06 / METHOD 04

現地へ送る前に、遠隔でも受入確認を進める。

導入主体・見直した仕事
Booth Welshは、顧客が立ち会えない状況で、食品・飲料分野の設備に対するFATを遠隔実施しました。
技術と運営の組み込み
映像とARによる現場共有を使い、顧客と確認項目をたどりながら出荷前の受入確認を進めています。
映像で確認できること
設備側の担当者と顧客が離れた場所から、確認対象と試験結果を共有する進め方を確認できます。
適用前に確かめること
試験項目、判定者、映像で確認できない範囲、記録方法、現地SATへ残す項目を定めます。
06 — ISSUE PRIORITY CHECK

自社案件で、優先して見直す課題を選ぶ。

同じ自動化設備でも、投資段階、設備範囲、関係者、既存データによって課題の重さは異なります。
結果を見るために氏名やメールアドレスを入力する必要はありません。

自動化設備構想・導入前検証の課題に比重を付ける
ISSUE 01 / 要求・合否必要能力と受入基準が、設備仕様や試験項目まで落ちていない。
ISSUE 02 / 構想比較候補案ごとに前提、対象範囲、評価指標が異なる。
ISSUE 03 / 設計接続機械、電気、制御、ソフトウェアのデータ版と境界がそろわない。
ISSUE 04 / 試験設計正常運転だけを確かめ、異常、品種変更、復旧の試験が不足する。
ISSUE 05 / モデル妥当性モデルの精度、対象外、未確定値を示さず、結果だけを共有する。
ISSUE 06 / 現地引渡し確認済み事項、残課題、変更履歴が現地立上げへ引き継がれない。

0 課題を評価未回答です。各課題への影響を選ぶと、優先順が表示されます。

相談する

設備を作ってから分かる手戻りを減らすために、要求と導入前検証の範囲を当社と整理しませんか。

当社は、投資判断、要求条件、関係者の役割、既存データをもとに、先に確かめる課題、方法の組み合わせ、合否基準、現地への引渡しを整理します。